ニコンの金属3Dプリンタはニコンの技術あってこそ 事業化は成功するのか?

 ニコンが新発売する低価格金属3Dプリンタはニコンの新しい事業になる可能性がありそうです。

 
 ニコンは全社を挙げて新規事業の創出にも力を入れており、半導体装置事業部としても技術力を生かした新しいチャレンジ、価値提供の可能性を模索してきた。あるとき「金属3Dプリンタは高額過ぎて手が出せない」という話題を耳にし、ひょっとしたら? という思いから調査を始めてみると、レーザーや光学系の部品がコストを押し上げていることに気が付き、「光学技術や精密制御技術に強みを持つわれわれにとって大きなチャンスなのではないか」(長坂氏)と、新規事業としてLasermeister 100Aの開発をスタートさせたのだという。
 
 3000万円という低価格化の実現もさることながら、Lasermeister 100Aを一目見てまず驚かされるのはそのサイズ感だ。例えるなら冷蔵庫と同じくらいの大きさだろうか。本体外形寸法が850×750×1700mm、重量が310kgと軽量コンパクトで、オフィスのエレベーターやドアを通過でき、設置位置も大人が2人いれば簡単に調整可能。一般的な金属3Dプリンタと比べると、重さ5分の1、床面積10分の1、容積100分の1以下を実現しているという。
 
 「工場などで利用される通常の金属3Dプリンタだと大きさや重量の関係で設置場所がどうしても限られてしまう。場合によっては床の補強工事なども必要になり、設置のために余計なコストも発生してしまう。それに比べ、Lasermeister 100Aは310kgと軽量で、オフィスの床などにも設置できる。大学の研究室やファブラボのようなメイカースペースにも気軽に設置可能だ」(長坂氏)。
 
 一般的な金属3Dプリンタの場合、本体とは別に関連する付帯設備が必要になるが、Lasermeister 100Aは必要な機能が全て本体内部に組み込まれているため背面部などもスッキリとしており、設置場所を選ばない。ユーザーは窒素(N2)を供給するための窒素製造機か窒素ボンベを別途用意するだけですぐに使うことが可能だ(※1)。
 
※1:使用には排気を行うための排気ダクトが必要となるが、通常の換気扇でも問題なく利用できるという。
 
 コンパクト設計を実現できた背景には、大きく2つの技術開発が寄与している。
 
 1つは集光レンズの独自開発である。光学メーカーであるニコンの技術力により、多様な金属加工機能に最適化された光学性能を実現し、さらに軽量化にも取り組んだ。「できる限り小さいガラスを使用し、枚数も制限しながら十分な光学性能が出せる軽量な集光レンズを自社開発した。ここが重たいと、レンズを支えるためのしっかりとした支柱や梁(はり)が必要となり、必然的にレーザー集光ユニットを動かすためのモーターも大きくなってしまう。つまり、装置の重量やサイズの増大につながる。今回の開発では、光学メーカーの強みを発揮し、集光レンズを軽く、小さくできたことが他社製品との大きな差別化になっている。レンズも自社開発できるのはニコンならではの強みといえるだろう」と長坂氏は説明する。
 
 もう1つ、Lasermeister 100Aのコンパクト設計の実現を支えているのが、レーザーの開発だ。通常、レーザーは金属3Dプリンタの構成部品の中でも非常にコストのかかる部品であり、高出力のファイバーレーザーを用いるのが一般的である。これに対し、Lasermeister 100Aではダイレクトダイオードレーザーを採用し、これを海外メーカーと共同開発。コスト低減を図ると同時に排熱を工夫し、配管レス、チラー(冷却水循環装置)レスのコンパクト化を実現した。
 
 「通常、レーザー加工を行う装置では、効率的な排熱のために流路(配管)やチラーが必要になるが、その分どうしても装置が大きく、重たくなってしまう。これはコンパクト設計の妨げにしかならないので、Lasermeister 100Aでは空冷だけで効率的な排熱ができるように設計を工夫した」(長坂氏)という。
 
 また、当然ながら安全面でも半導体露光装置などを手掛けるニコンらしく、Lasermeister 100Aにおいても欧州規格や機械指令に準拠した設計が施されている。具体的な安全対策としては、レーザーの安全性確保(クラス1に対応)、防爆設計および粉体の安全確認、インターロックの完備による窒息防止措置などが図られている。さらに、庫内の様子を確認できるフロント窓においては、レーザーの影響を受けにくい反射型ミラーを採用した3重構造の窓ガラスを独自開発しているとのことだ。
 
(記事を一部引用しています)

 ニコンの金属3Dプリンタは、ニコンがこれまで培ったレンズなどの技術があってこそ実現できたということのようです。記事によれば、レンズ技術の応用や、レーザー装置の空冷化などの技術により、プリンタ装置を小型化できるようになったようですね。

 この金属3Dプリンタとはどのような仕組みのものなのでしょうか?

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 金属3Dプリンタの仕組みにはいろいろあるのですが、ニコンの方式は金属の粉末を吹き付けながらレーザを照射することで粉末を溶かし、そして様々な部品など金属加工部品を製造していくという方法のようです。

 金属の加工には、型を作って溶けた金属を流し込む鋳造や、金属の塊から切り出す切削、圧力をかけたりして変形させる鍛造やプレスなどがあります。鋳造は型に溶けた金属を流し込むので、細い線のようなものを作るのは苦手です。切削は表面から見える側の切削は簡単ですが、内側の切削は非常に難しいということがありますね。

 ですが、3Dプリンタであれば一つずつ溶かしてくっつけていく溶接に近い感じになりますので、細い線のような物も複雑な形のものも作ることができるのでメリットがあるといえそうです。

 特に小型軽量化されたことで、床の補強などなく設置できることがメリットで、価格も安いということで、中小企業の研究開発における部品の試作や、大学などの研究機関などでの活躍が期待できそうです。

 そして、ニコンにとっては金属3Dプリンタの技術開発は経営にとって救世主になる可能性もありそうです。

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 今回はニコンの技術を結集して小型化できたので、なかなか他のメーカの追従は難しい側面があると思います。なので、今のうちから、例えば他の3Dプリンタを製造する企業からもレンズの受注に応じるなどしてシェアを確かなものにしたり、一般の3Dプリンタ用にレンズだけをキット部品として販売することで、3Dプリンタ分野のレンズでトップになれる可能性もあるので、そのあたりは世界を目指して頑張って行ってほしいですね。

 詳細は本記事下部の記事元リンクからどうぞ。


(記事元)https://monoist.atmarkit.co.jp/mn/articles/1906/06/news004.html



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