ニコン 一眼レフへの影響懸念でミラーレス投入遅れ? 再参入も時すでに遅し

ニコン 一眼レフへの影響懸念でミラーレス投入遅れ? 再参入も時すでに遅し

 ニコンが同日発表した2020年3月期の業績見通しは多くの市場関係者にとって想定外の内容だった。5月に発表した従来予想から売上高を500億円引き下げて6200億円(前期比12.5%減)に。営業利益も320億円引き下げ、200億円(同75.8%減)を見込むとした。

 だが、業績の下方修正にもっとも影響を与えたのはニコンの主力であるカメラ事業の不振にある。今回の修正で映像(カメラ)事業の業績見通しは、従来予想を250億円引き下げ、前年比で611億円減収の見通しとなった。映像事業の損益は100億円の営業赤字になると見込んでいる。

 ニコンの岡昌志CFOは「急速な市場縮小がとまらない」とし、カメラ市況の悪化を赤字転落の理由にあげる。

 縮小基調にあるカメラ市場にあって、数少ない販売好調な製品がミラーレスカメラだ。ニコンやキヤノンがこれまで強みとしてきた一眼レフカメラと異なり、小型化・軽量化が可能なことが消費者の支持につながっている。実際、2018年の世界出荷台数は一眼レフが前年比約16%減の622万台と減少傾向にあるのに対し、ミラーレスは同約3%増の428万台と増勢にある(テクノ・システム・リサーチ調べ)。

 ただ、ニコンはミラーレスカメラの進出で出遅れてしまった。現在、ミラーレスカメラのシェア1位であるソニーは、高級機種であるフルサイズミラーレスを2013年に発売した。ニコンは2011年に同社初のミラーレスカメラ「Nikon 1」を発売したが、販売不振と主力の一眼レフの販売に影響を与えかねないことを懸念し、2015年以降はミラーレスの新製品投入をとめた。2018年9月に40万円台の高級機種「Z7」を投入して再参入したが、時はすでに遅かった。

 デジカメ市場に詳しいあるアナリストは「早くからフルサイズミラーレスを強化してきたソニーに技術的な優位性があるのは明らか」と指摘する。

 さらに、2018年まで販売台数が拡大し続けてきたミラーレスカメラ市場も、今年は前年比で減少する可能性も出てきている。仮にニコンがうまくミラーレスシフトを進めたとしても、楽観できるわけではない。

(記事を一部引用しています)

一眼レフへの影響懸念でNikon 1をディスコンに?

ニコンの決算発表で映像事業がかなり悪化していることから、様々なところで厳しく報道されていますね(参考 ニコン 最終益74%減少に下方修正の衝撃 映像事業の計画見直し必至か)。海外でも大きく取り上げられていて、ニコンはこのままで本当に大丈夫なのか?という声があがっています。もちろん日本でもネット界隈で大きく取り上げられています。同じ時期にキヤノンもミラーレスカメラの販売が不振という業績発表があったことも相まって、大きな話題となっています。

で、様々な記事をみていたのですが、前回の記事(参考 ニコン 最終益74%減少に下方修正の衝撃 映像事業の計画見直し必至か)の投稿でご指摘がありましたように、自分も一つだけ気になった記事がありました。その記事が上記に引用している記事です。

その中には以下のような記述があります。

ニコンは2011年に同社初のミラーレスカメラ「Nikon 1」を発売したが、販売不振と主力の一眼レフの販売に影響を与えかねないことを懸念し、2015年以降はミラーレスの新製品投入をとめた。2018年9月に40万円台の高級機種「Z7」を投入して再参入したが、時はすでに遅かった。

これが記者の憶測か想像なのか、それともニコンへの取材の結果わかったことなのかはわかりません。そして、「ミラーレスの新製品投入をとめた」というのがNikon 1のディスコンのことなのか、それともフルサイズミラーレスの投入計画があったけれどもそれが凍結されたのかもわかりません。ですが、憶測や想像で「懸念」していたことを記述するわけはないと思われますので、少なくとも一眼レフへの影響を懸念してNikon 1か、APS-Cまたはフルサイズミラーレスの新製品投入をとめたというのは事実なのかな?と思いますね。

そして、新製品投入をとめた理由として、さらにその前に”販売不振のため”という説明があります。ということは、そのときに販売していた製品が販売不振だから新製品の投入を止めたということになりますので、そのときに発売されていたミラーレスはNikon 1だけですから、やはり一眼レフの販売に影響を与える可能性があったのでNikon 1の新製品投入を取りやめたというように解釈するのが妥当だと思われますね。

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Nikon 1は販売不振で一眼レフ販売に影響ある製品なのか?

そう考えるとちょっと違和感を感じます。まずNikon 1 J5は売上ランキングで上位に入るような機種でしたので、販売不振ということばが当てはまるのかどうかはちょっと疑問に感じています。Nikon 1 J5は当サイトでも何度もBCNランキングなどで上位にランクインしているのをお伝えしたことがありましたが、必ずしも不振とは言えないのかな?と思いますね。ただ、最初から販売価格が低く設定されていたため、利益率的にはかなり悪い機種だったことは間違いないと思われます。なので販売不振というより、経営効率が悪いという意味であれば理解できるところです。

さらに一眼レフ販売への影響という点ですが、このあたりはどう判断するか難しいところだと思いますが、Nikon 1を購入するユーザは直接的に一眼レフ購買層と被ることは少ないんじゃないのかな?とも思います。ですが、APS-C一眼レフとNikon 1とを迷う人もいることも確かでしょうから、そういう影響が一定数あるのも間違いないとも思えます。

ですがNikon 1と購入を悩む人はD3x00やD5x00シリーズと迷う人だと思いますので、エントリークラス一眼レフの販売に影響を与えかねないから新製品取りやめというのも、ちょっとよくわからない理由のようにも思えます。

Nikon 1の新製品投入はともかく、もしフルサイズミラーレスやAPS-Cミラーレスの投入が遅くなっていた理由が、今回の記事と同じ理由で一眼レフへの影響を懸念していたとしたら、当時からミラーレス化するのは必然で、それがいつになるかというのは誰しもが思っていたことですので、ちょっと残念に思えますね。

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利益率重視の経営方針が影響か

ニコンは2016年に構造改革を打ち出し売上重視から利益率重視に転換しています。その結果、何が起きたのかというと様々なリストラ、Nikon DLの発売中止、中国工場からの撤退、Nikon 1のディスコン、KeyMissionシリーズのディスコン、新規コンデジの(一時)発売停止などです。

思えば、このとき利益率重視に舵を切ったため、そのときに発売している製品で最大限の利益を得ようとした結果、一眼レフによって得られる利益を減少させてしまう可能性のあるミラーレスの投入を遅らせた最大の原因だと思います。この転換が失敗になるか成功になるかは、まさに今後に発売されるだろうミラーレスでどれだけシェアを獲得できるかにかかっていると思います。

今後の数年がまさに正念場といえそうです。日本の有名ブランドを欲しい海外の企業はいくらでもいると思います。

詳細は本記事下部の記事元リンクからどうぞ。

(記事元)https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20191108-00313220-toyo-bus_all

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