オリンパス “デジカメ開発は重荷 医療事業に集中したかった”

 デジタルカメラを主力とする映像事業を投資ファンドの日本産業パートナーズ(JIP、東京都千代田区)に売却することを決めたオリンパス。9月末までに契約を締結し、12月末までに手続きを終える予定。オリンパスは内視鏡を中心とする医療事業に経営資源を集中する。

オリンパスの映像事業はデジカメのほか、ICレコーダー、双眼鏡を含む。同社はまず映像事業を分社化し、ある程度の黒字化が見込めるまで構造改革を実施。その上でJIPに映像事業の新会社の株式を全て譲渡する。黒字化に向けた具体的な施策について現段階では未定としている。

オリンパスの2020年3月期の映像事業の売上高は436億円(前期比10・4%減)で、全社売上高に占める比率は約5%。同期まで3期連続で営業赤字が続いていた。

オリンパスはデジカメの生産効率化や収益性の高い交換レンズのラインアップ強化など手を打ってきた。しかし、高いカメラ機能を持つスマートフォンの攻勢を受け、黒字化できなかった。重点領域の医療事業に資源を集中したい同社にとってデジカメの開発体制維持は重荷だった。

(記事を一部引用しています)
(記事元)https://news.yahoo.co.jp/articles/15cf472a71283fc001eeddaeffe8bc5577804a5a

オリンパスはカメラ事業譲渡の衝撃

ニュースイッチがオリンパスのカメラ事業売却について報告しています。

記事によればオリンパスはデジカメ、ICレコーダ、双眼鏡に関する事業を分社化し、黒字化が見込めるまで構造改革を実施し、その上で日本産業パートナーズ(JIP)に全株式を譲渡するそうです。この部分だけでもかなりの重要な情報が含まれていると感じています。

まず一つは、単純に分社化して譲渡するわけではなく、構造改革を実施してから譲渡するというところです。このことは、単純にJIPに譲渡されるのではなく、その前に黒字化をする構造改革をするということを示しています。この段階では株の100%をオリンパスが持っているということになるはずですので、この段階でどこまでJIPが関与するのかは定かではありませんが、オリンパス主導で改革が行われるだろうことが予想されます。そして黒字化させてから、はじめて譲渡という流れになるようです。

そんなに簡単に黒字化ができるのなら、わざわざ譲渡せず始めから実施すればよかったのではないのかな?と疑問に思います。ただ分社化したことで黒字になるとは思えませんよね。ここにJIPの何かしらの関与があるのでしょうか?それとも、分社化することで赤字体質になっている何かしらのしがらみを断ち切ることができるという目処があるのでしょうか?

次に気になるのは「譲渡」としていることです。他の報道ではほとんどが「デジカメ事業売却」というように売却という言葉が利用されていました。ですが、オリンパスの公式発表も、この記事も「譲渡」としています。ということは、これは完全に無償でカメラ事業をJIPに渡してしまうということなのでしょうか?赤字続きの事業をかなり低価格で売却してしまう例は過去にもありました。赤字では売却できないので、黒字化が成功できたら無償で引き受けるなどという契約になっているのでしょうか?気になるところですよね。

そして、記事では「株式」を譲渡するとしています。ということは新会社は当然ですが株式会社になるということがわかりますね。新しい会社の株式はすぐに上場ということにはなりません。なので、ある程度の利益がでるようになってから、新会社を上場させ、JIPは上場することで創業者利益を得るというシナリオを考えているという可能性があるのかな?という感じもしています。

オリンパスにとってデジカメ開発は重荷だった?

そして記事では、オリンパスにとってデジカメの開発体制維持は重荷だったとしています。そして、その理由として医療事業に集中したいからとしていますね。

オリンパスは以前にこのような説明をしていました。

 杉本は「高精細な映像を生む技術と大量生産のノウハウという二つの軸で他事業に貢献できる」と説く。カメラや交換レンズは画像処理や光学など技術の開発サイクルが早く、オリンパスの技術の核であるイメージングのけん引役になる。映像事業で培った技術が医療分野の4K内視鏡システムなどに役立つ。

(記事元)https://nikon-mirrorless.info/market/3775.html

この記事では、デジカメ事業で得られた技術を医療分野に活かしているので、デジカメ事業が他事業に貢献しているとしています。確かにその側面はあると思います。ですが、デジカメ事業を分社化して、他社に譲渡してしまった場合には、それらの医療分野の基本技術については、どのように開発していくのでしょうか?ひょっとして既存のデジカメ事業に関わっていた開発者を、オリンパスに残る人と新会社に移る人を自由に選択できて、そして技術についてはオリンパス本体に残すというような考えをしているのでしょうかね?気になるところです。

そして、オリンパスにとっては、やはりカメラ事業については重荷だったというのが、今回の象徴的なキーワードに聞こえますね。このキーワードはどの会社にも言えるかもしれません。例えば、リコーやキヤノンにとっても同様に感じている可能性はあります。

今回は日本のファンドへの譲渡でしたが、他のカメラメーカが他の新興国へ事業を譲渡するというのは、もう当たり前になるかもしれない状況になっていると考えると本当に寂しいですよね。東芝、シャープのように外資系ファンド傘下になることも覚悟しなければならないかもしれません。

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