旭化成工場火災 カメラ、音響、車等 日本企業に大影響判明 情報まとめ

旭化成マイクロシステム半導体工場火災の影響広がる

新年あけましておめでとうございます。昨年は当サイトをご覧いただきありがとうございました。本年もよろしくお願い申し上げます。

さて新年最初の記事が、また暗い記事になってしまいました。先日、お知らせした旭化成マイクロシステムの工場火災の影響の続報です。画像は今回の火災とは関係ない半導体ウエハのイメージ画像です。

火災発生からの経緯とその後

火災発生から鎮火まで

まずは火災発生からの経緯と、その後の顛末について記述してみます。

報道があったのは2020年10月20日の夜です。20日16時40分ごろ、延岡市にある旭化成マイクロシステムの工場で煙りがでているという通報があり火災が判明。その後、消防車やはしご車などで消火にあたることになります。そして、18時現在でも鎮火せず燃え続けたことが明らかになっています。

ですが、状況はさらに悪化してしまいます。火災発生から16時間以上経過した21日09時でも火災は鎮火していないことが明らかになります。また、火災の消防活動中の隊員から、肌がひりひりするなどの報告があり、何かしらの薬物が燃焼したり、蒸発している可能性があり、消防活動に影響がでてしまったようです。半導体工場ですので、様々な薬品を扱っていますから、それらが影響している可能性があるわけですね。

問題はこれだけでは終わりませんでした。20日から3日後でも火災は鎮火せず、黒煙が立ち上がる状態が続いてしまいます。そして、事務所には「モノシラン」という危険物がある可能性がわかりますが、実際にあるのかないのか会社側からの報告が曖昧のままの状態が続きます。そして住民からは体調不良を訴える人もでてきて、状況はさらに混乱していってしまいます。

鎮火が最終的に確認されたのは、火災発生から約4日間が経過した24日の12時25分でした。火が完全に消え、温度上昇もないため鎮火が最終確認されたということです。

鎮火後の混乱

そして、この火災の原因を調べるため建物内部に入って、崩落の危険はないか?など調べる作業にようやく取りかかることが決定しました。

ですが、ここで問題が発生します。実は建物火災で放水したことが影響だと思いますが、酸性水が工場の中にたまり、建物内の現場検証でできないことが明らかになります。この結果、はやくても11月下旬にならないと現場検証ができないということになってしまいます。

このため火災から1ヶ月以上も何も手が付けられない状況が続き、工場の再建のためへの取り組みも遅れることとなってしまいます。

しかし、さらに悪い報道が。実はこの現場検証は12月30日現在になっても終わっていないことが明らかになります。何らかの影響がまだ残っているということでしょうか?たぶん危険な薬品が残っていたり、燃焼物がたまっていたり、工場が崩落する可能性があるなどで人が建物に入れない状況が続いていると考えられるので、工場の再建の開始が大幅に遅れることは確実になりました。

会社は11月には再建には6ヶ月ぐらいを見込んでいるということでしたが、ここまで現場検証がでていませんので、少なくとも稼働は今年の7月以降までずれ込むことが決定的になりました。

工場火災による影響は?

何を作っていたの?

それでは、この工場火災によりどのような影響がでているのでしょうか?まずは、どのような製品を製造していたのか、まとめてみます。

・LSIやセンサーなどの電子部品を製造
・音響関連、スマホ、自動車のセンサーなど
・水晶発振器、車の横滑り防止やパワステに必要な半導体
・カーオーディオなどの車載オーディオ機器
・D/Aコンバータ、A/Dコンバータ
・スマホ向け電子コンパス
・カメラのオートフォーカスのモジュール、手振れ補正用の磁気センサー
・ノイズキャンセラー用のLSI
・音声処理DSP内蔵のLSI

重なっている内容もありますが、まとめてみるとこんな感じになっています。様々なセンサー類や、アナログをデジタルに交換するA/Dコンバータや、デジタルをアナログに変換するD/Aコンバータ、車のシステムに組み込まれるカスタムLSIなどが得意ということなのかもしれません。

影響を発表している企業

この結果、製品の製造に影響が発生している企業があるようです。

例えば、オーディオ機器を製造しているONKYOでは、D/Aコンバータが入手できなくなったことで、AVレシーバーやオーディオアンプなどが製造できなくなり、代替製品による製造開始は2021年3月からになるという見通しを述べています。

電話機器を製造するナカヨについては、代替製品の調達ができておらず、2021年1月~3月の生産や販売に影響があるかもしれないとしています。

ヤマハは2021年1月~3月の売上げで60億円の減収になる可能性があると発表しています。

自動車メーカでは、トヨタ、日産、ホンダなどが影響を受けている可能性があるようです。これらのメーカの生産が、今年の1月以降、40%~50%ほど生産が減るという予測もでているということで、自動車メーカに大打撃になる可能性があるという報道もあります。

カメラメーカにも影響が?

いまのところカメラメーカから、何かしらの影響がある/あったという報道は直接的にはないようですが、上記の様々な報道から考えると、カメラメーカにも大きな影響がでているのでは?と考えている人は多いようですね。

作られているLSIの内容をみると、スマホ向けの電子コンパスや、オートフォーカス用のモジュール、手振れ補正用の磁気センサー、音声処理用のLSIなどが含まれています。カメラにはオートフォーカスのモジュールが必要ですし、手振れ補正機構も内蔵されています。最近は動画の撮影が当たり前なので、A/Dコンバータのようなものも必要になるはずです。

そう考えると旭化成マイクロシステムのLSIを利用したいた可能性は高く、カメラメーカも影響を受けている可能性があります。そう考えると、日本ではかなり多くの企業、しかも大企業が今回の火災の影響を受ける可能性があり、日本経済にとっても大きな問題になる可能性があるので心配です。

たぶん、過去に多くのメーカは、東日本大震災、熊本地震、その他各地の豪雨などの災害で、工場が被災し製造ができなくなるという経験をしています。そのため、各地に工場を分散させたりして、自社の製造に関しては問題がないようにしてきた企業は多かったと思います。

ですが、今回は新型コロナウィルスによる影響の時もそうでしたが、使用する部品の供給についても、それがどんな災害があっても問題なく供給され続けることができるのかということを評価していなかった可能性が高そうですよね。部品を納入を受けるときに、相手先の工場の状況などを調査して、冗長性のある製造体制になっているかを確認したうえで契約するということが、今後は求められていくのではないかと思います。

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