Nikon Z50の発売で改めてわかったZマウントの大きさ
待望のAPS-Cミラーレスカメラがニコンから発売されたわけですが、あらためてZマウントの巨大さに驚きました。というのも、筐体のサイズとしてはそれほど小さくないにも関わらず、筐体を飛び出すかのようにマウントが存在していたからです。具体的には下記の画像などからも明らかだと思います。
マウント下にはまだ若干の余裕がありますが、マウントは筐体上部に若干抜けているような感じで設計されているのがわかると思います。うまく軍艦部(EVFの部分)を設定してマウントがせり上がっているのを隠しているようですが、筐体からマウント分がはみ出していることがわかりますね。
Nikon Z50はハイアマチュア向けのカメラだということが先日の記事でわかりました(参照 Nikon Z50はハイアマモデルと確定 より安価なAPS-C 発売の可能性高まる)。ハイアマチュアクラスの筐体で、このような感じになってしまっているわけですので、さらに安価なAPS-Cミラーレスモデルでは、さらに小さいカメラを作ることができるのか不安になります。
今回はそのあたりを検証してみます。
ZマウントはEマウントの20%大きい
ソニーより大きなマウントということでフルサイズセンサーにとってはレンズ設計において有利になっているようですが、ひょっとしたらなるべく小さく作りたいAPS-Cミラーレスを小さく作れない問題があるかもしれません。
まずは、ちょっとおさらいです。ソニーのEマウントはフランジバック18mmでマウント径が46mmとなっています。そしてニコンのZマウントはフランジバックが16mmでマウント径が55mmとなっています。フランジバックというのはマウント面からセンサーまでの距離で、マウント径というのがマウントの内径の直径です。今回問題になるかもしれないのは、そのマウントからセンサーまでの距離ではなく、マウントの内径です。まとめます。
ニコン Zマウント フランジバック 16mm マウント径 55mm
ソニー Eマウント フランジバック 18mm マウント径 46mm
このようにニコンのほうがマウントが約9mmほど大きくなっています。約9mmというと1cm弱ということになるのでたいしたことないと思うかもしれませんが、割合にするとZマウントのほうが119.5%ほど直径が長いということで約2割ほど直径が長い計算になります。さらにマウントは画像のようにある程度の厚さがありますので、内径でなく外径で考える必要があります。マウントの金属部分はあるていどの厚さがありますので、ボディの設計にはかなり影響を与える可能性があるわけですね。
ソニーの最小ミラーレスはどのぐらいのサイズなのか?
Zマウントより20%サイズが小さいソニーのEマウントですが、その中でも最小のカメラはどのようなカメラなのでしょうか?調べるとα5100が現在の最小のカメラのようです。そのカメラの画像は以下のようになっています。
この画像をみると、筐体からマウント部分が飛び出しているのがわかりますね?ソニーのEマウントの内径46mmでも小さいカメラを作ろうとすると、このような感じになってしまいます。そして、このカメラの仕様によれば、このカメラの高さは62mmとなっています。約6cmに46mmの内径のマウントを入れようとすると、こういう形になってしまうわけですね。
それでは、ニコンのZマウントをこのカメラに内包してみたらどうなるでしょうか?
やっぱり小さいAPS-CはZマウントでは無理?
というわけで、上記のα5100の画像からマウント外径を抜き出して、それをZマウントにあうように20%ほど拡大し、あらためてα5100の画像に併せてみました。こんな感じになります。
こうみるとZマウントってかなり巨大になることがわかりますね。Zマウントを採用してα5100のような小型APS-Cミラーレスを作るのはちょっと無理そうです。仮に、かなり上側にはみ出したようなデザインにした場合は以下のようなカメラのデザインになる可能性があります。
ここまで上側にマウント部分がはみ出してくると、かなりカメラのデザインや設計としては難しくなってくる可能性があることがわかりますね。
Z50はカメラ本体の高さが93mmという高さですのでマウント口径がさほど気にならないレベルでしたが、α5100のような高さ62mmの小型カメラと比較してしまうと、かなり大きなマウントであることがわかります。
そのためZマウントを採用して小型なAPS-Cミラーレスを作ろうとした場合には、ネオイチのようなデザインにせざるを得ず、見た目的にかなり印象的なカメラになる可能性が考えられそうですね。もっとも、そういうスペースをうまく利用して、内蔵フラッシュを設置したり、EVFを設定するなど機能とデザインの兼ね合いでうまく対処できればそれなりにうまくできる可能性はありそうです。
ですが、上記の想像図のように様々なデザイン上の懸念になる可能性は高いと考えられそうですね。